2007年11月19日月曜日

掲示板「梁山泊」過去ログデータ 14 (2005年 2月 6日(日)~2005年 2月 3日(木))

肝心なのは形式ではなくて中身 投稿者:kazhik 投稿日:2005年 2月 6日(日)10時52分53秒
>樹々の緑さん

私はこの掲示板を荒らしに来たわけじゃないんですけど(笑)。

法律という形式にする必要はない、ということであれば、私としては政策でも一向にかまいません。北朝鮮人権法案が国会で議論され、「現行法の運用でも十分対処できる」という結論が出て廃案になれば、以後は脱北者の保護や受け入れが積極的に進んでいくかもしれません。あるいは、首相が「脱北者を積極的に保護し、希望があれば日本に受け入れていきます」と宣言するだけでも全然ちがいます。しかし現在はそうなっていません。法律も政策もないのです。「現行法の適用や運用改善で十分まかなえると思われる」という立場から北朝鮮人権法案に反対するのであれば、単にそれだけではなくて現行法の適用や運用改善のほうを強調していただきたいと思います。


「人道的食料援助の凍結をやめ、援助過程の共同管理を積極的に提案すること」には賛成です。共同管理は内政干渉そのものだと思いますけど、それでも私は賛成します。ただ、これも北朝鮮人権法案に対立するものではなく、むしろ補完するものですね。人道か人権か、ではなく、人道も人権も、です。


>金国雄さん

北朝鮮民主化の主体が北朝鮮の人民でなければならないのは言うまでもないことだと思います。私は「戦争」も「平和」も一貫してその前提で議論しています。RENKのスタンスも同じだと思っています。



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kazhikさんへ 投稿者:金 国雄 投稿日:2005年 2月 6日(日)10時13分48秒

 kazhikさん こんにちは、ご無沙汰をしています。

 ここのところの社会主義者さんの掲示板で簡単ながら経緯を
拝見しております。

 私はkazhikさんとは一度お会いしたこともありご挨拶させて
いただいたこともありました。

 私は考えの相違から「レンク」とは一線を画して、このよう
に北朝鮮の民主化の活動を行ってきました。一つには在日を含
む朝鮮人が自主的、主体的に変革を自らの責任において行って
いくべきと考えるからです。

 私の記憶違いでなければ以前の代表・金英達さんは、けして
他国の武力介入を容認するような立場ではなかったのではない
かと思うのですが。(6、7年前かの在日の民主化活動家の集
まりでは、席を一緒にさせていただいた)

 kazhikさん、今は自身(の考え)を見つめなおす時間をとっ
てもいいのではないでしょうか。そして、今後どのように歩ま
れ、成長されるのか。また、真に北朝鮮の人々との連帯という
ことを真摯に考える上でも。

 私は人は変わりえるものと信じています。
  そのようなkazhikさんにまた、お会いしたいと願っています。

 お体を大切に。

 それでは。
  金 国雄 拝



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kazhikさんへ~その2 投稿者:樹々の緑@半徹後休日出勤準備中 投稿日:2005年 2月 6日(日)07時05分57秒
 特に、問題の法分野は、仮に立法で規制しても、裁量権の幅がきわめ
て広い外交サービスの給付の分野です。相手方(脱北者)に給付請求権
(外交特権を転用した日本政府に対する保護請求権)を付与するのでは
ないでしょうし、逆にそれを与える趣旨であれば、例えば、それに反し
た場合、国家賠償請求権が発生するのか、外交官は不法行為責任を負う
のか等、よく考える必要があると思っています。

 それともう一つには、実質的意義における立法の中で、選択される立
法形式(法律か政令か、また条例かなど)も問題だと思います。
 わが国の国法諸形式の中では、条約は、法律よりも上位にあると解さ
れています。したがって、わが国が、いわゆるself-executingな条約と解
される国際人権規約B規約や、難民条約の当事国である以上、少なくと
も外交も(法律以上に)その趣旨に従って行われるべきことは当然です。
 その点でも、やはり「特にこのような(下位法に当る)新規立法を行
わなくても、現行法の適用や運用改善で十分まかなえる」という認識は
動かないのです。

 同じような理由から、「ビルマ人権法」等々の個別立法にも反対です。
目的は手段を当然には正当化しません。

 むしろ、今の時期になって、このような法案骨子が喧伝されること自
体の政治的意味を、具体的に分析することの方が、いっそう重要だと思
います。

 「国際的な人権問題についてやるべきことは、もっとたくさんある」
具体例ということですが、あなたが関心を持っておられる北朝鮮につい
て言えば、人道的食料援助の凍結をやめ、援助過程の共同管理を積極的
に提案することも、その一例です。北朝鮮の民衆の飢餓も、立派な国際
的人権問題だと思うからです。これと一見矛盾するような拉致問題につ
いても、この間、「横田めぐみさんの遺骨とされたものは偽物」「拉致
犯人が処罰されたという客観的な資料とは言えない」等という政府発表
の他に、政府が具体的にしたことは、この援助凍結でしょう。その成果
が肯定的なものだったとは、現状では決して思えません。
 なお、その他の例としては、例えば、WTOにおいて、米国の製薬会
社からのエイズ治療薬に対する知的財産権主張を制限するよう、積極的
に働きかけるとか(アフリカにおけるエイズ死の阻止は人権問題ですよ
ね?)、あるいは、これは私の希望でしかありませんが、援助型国際
NGOの経験を総括できる教育・資料センターのようなものを、日本に
(政府からの独立性をもった、例えば財団のような形で)設立すること
などです。
 これらに対して、政治的人権問題についてのNGO援助や連携は、
state-actionの法理の類推を通じて、内政干渉を構成する可能性があると
考えるので、「目的が正当だから」といって、それほど牧歌的に推進で
きるものではないと考えております。

 最後に、金国雄さん、善意のお見舞から始まったのに、私の軽率さの
ためにご負担をおかけして、済みませんでした。インターネット上での
議論の激しさは、とても私の年齢では体力的について行けるものでなく
なっています。残念ですが、しばらくは「さざ波」に集中します。


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kazhikさんへ~その1 投稿者:樹々の緑@半徹後休日出勤準備中 投稿日:2005年 2月 6日(日)07時04分23秒
 一度だけお答えします。「一度だけ」というのは、あなたが質問の元
にされている私の投稿は、チョンゴンさんからの指名による感想の求め
に応じたもので、議論の問題提起でないばかりか、議論の元になりうる
だけの厳密な検討を経ていない、情報も十分に参照できない時点におけ
る「雑感」でしかないからです。また、以前にも述べたように、この場
で詳細な議論をするのは、金国雄さんに対して余計な負担をおかけして
申し訳ないと思うからです。

 前提として、あなたも、私と同じように「特にこのような新規立法を
行わなくても、現行法の適用や運用改善で十分まかなえると思われる」
とお考えなのでしょうね。そして、「それでも目的・内容が正しい以上
立法化することにはそれなりの意義がある」とお考えなのでしょうね。
その前提で、上記雑感をアバウトに説明します。

 ある事柄を「立法」という形で実現しようとするときは、当該立法の
目的・内容の見地からだけでなく、その目的を「立法」という形で具体
化することの是非という見地からも、十分な検討が必要だというのが、
まず私の出発点です。特にそれが、一般法に対する「特別法」だとか、
いわゆる「措置法」「特例法」として主張・企図される場合には、この
点にはいっそう慎重である必要があると考えています。
 これは、例えば、建築基準法の一般的規制をくぐり抜ける特例法によ
って、大都市プロジェクトにおける恐るべき容積率緩和が実現していた
りすることや、沖縄駐留軍用地特措法(でしたか?)、PKOやイラク
派遣特措法等々を見ても、明白です。立法方向が規制法なのか給付法な
のかに拘らず、です。
 というのは、これらが安易に利用されると、既存立法の事実上の軽視
を生んで議会制民主主義の形骸化をいっそう促進し、個別問題対策とい
う美名の下に、法による公権力(特に行政権)に対する拘束がないがし
ろにされるからです(「法の政策化」)。
 新潟中越大震災の住宅再建への公的補助が、「新潟中越大震災補助特
別措置法」として主張されているのではなく、「被災者生活再建支援法
の改正」として主張されているのも、そうした観点から理解できると思
います。

 お尋ねの「北朝鮮人権法案骨子」がその目的としているところは、共
通の理解では、「特にこのような新規立法を行わなくても、現行法の適
用や運用改善で十分まかなえる」ものでしょう? だからこそ、「だっ
たらなぜ、それをあえて『立法』という形で実現しなければならないの
か」について、納得できる十分な説明が必要となるはずですが、その説
明はありません。



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なぜ北朝鮮人権法に反対するのか? 投稿者:kazhik 投稿日:2005年 2月 5日(土)18時36分37秒
>樹々の緑さん

北朝鮮人権法の中身が「現行法の適用や運用改善で十分まかなえると思われる事柄」なのであれば、どうして敢えて反対するのでしょうか。脱北者だけを助ける法律は「お為ごかし」だから不要、というのは狭量にすぎます。それなら北朝鮮人権法につづいてクルド人権法やビルマ人権法もつくれ、と主張すればいいじゃないですか。

この法案の背後にある自民党の政治的意図は明白ですが、邪悪な意図から良い結果が生まれることだってあります。反北朝鮮の『現代コリア』が拉致被害者救出運動をリードし、被害者の帰還という結果をもたらしたのが好例です。

他にやるべきことはたくさんある、と言うなら、ぜひその内容を具体的に説明してください。北朝鮮の人権問題を放置してでも取り組むべき課題っていったい何なのでしょうか。難民政策一般の改善なら、北朝鮮人権法と対立するものではありませんから同時に取り組むことができますよね?

http://www.asiavoice.net/nkorea/



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在日左派 投稿者:金 国雄 投稿日:2005年 2月 4日(金)23時35分31秒
 チョンゴントンセン、こんばんわ

 チョンゴントンセンが他HNで他掲示板で議論されることは、
トンセンの判断に基づくものと思います。また、他者に対して
問題点を指摘し批判されることもこれまた、自由なもので否定
されることでもありません。

 しかし、在日左派諸氏のことを口上され、その意見等(事実
かどうかは別として。私は判断するものをもちません)を述べ
るには、それなりに、そのことに責任を当然、引き受けられる
ものと思います。

 以前私は、

「アイラブユ 投稿者:金 国雄  投稿日:12月29日(水)23時48分28秒」

 のなかで、

>他者を問うことも必要だが、自身を問うことも大切で
>はないだろうか。それが道義性というものではないでしょうか。

 と述べました。

 これは、チョンゴントンセンのよく知る在日左派諸氏に宛て
たもので、在日左派諸氏からの批判はあえて甘受するものです。

 また私は以前の私のHP上でも私の活動(在日左翼・この定
義もあいまいなもののようですが、そのような諸団体・諸氏が
生まれてくるまでの繋ぎであるとのコメントをしてきました)
は、ささやかながら在日左翼の立場からの韓国、北朝鮮現体制
への批判と民主化への希求を青少年時代に願った思いから現実
化させたものでした。

 トンセンの述べられる情報から私は、この在日社会にもやっ
と在日左派が現れてきたものと喜び、やっと私の肩の荷も下り
る物と喜んだ次第です。

 能力の無さや、また時間の制約等もあるなか、社会主義の勉
強を中断して、また中断しながらも私にとってもっとも重要な
ことであった北朝鮮(朝鮮)民主化のため今日まで頑張ってき
ました。

 やっとそのような私も社会主義の勉強を再開できる状況にな
ってきたと喜ぶと同時に反面、非常に悲しい現状を迎えていま
す。

 どうして在日左派諸氏の姿がほとんど見えないのでしょうか? 
どうして、チャンゴントンセンが代弁する立場にあるのか? 諸
掲示板がある中、私が目にする掲示板(社会主義者さん、sinken
さん)ですら目にすることはできません。HNのためかもしれま
せんが。

 私のような年代以前の在日にとってチョンゴントンセンの紹介
される「先生」はじめ、在日左派諸氏がトンセンの品格、人格、
どのように見ておられるのか、トンセンには申し訳ないのですが、
その知識と反比例し疑問に思うところです。

 私は古いタイプの在日です。時に掲示板(社会主義者さん、
sinkenさん)を見て悲しい思いに浸ります。

 チョンゴントンセンが代弁される在日左派諸氏との考えの開きを
私は今は受け入れようと思います。「在日左派(左翼)」は、チョ
ンゴントンセンとお知り合いの方々が、お使いください。チョンゴ
ンさん、在日左派の皆さまのご活躍を願って。


 悲しい別れです。

 北朝鮮民主化活動家
  金 国雄 拝

編集済


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自民党の「制裁シミュレーションチーム」の骨子のことですか? 投稿者:樹々の緑@まだ仕事中で内職 投稿日:2005年 2月 4日(金)19時18分31秒
 「赤旗」4日付2面短信で見て、よく分らないので「アサヒ・コム」を見ましたが、やはりよく内容が把握できませんでした。その段階であまりものを言うのは本当は控えたいのですが、考えたことは次のようなことです。2つあります。

 1つめは、「北朝鮮人権法」といっても、中身は怪しいということです。アサヒ・コムで見る限り、メインは脱北者に対する在外公館における保護を明確化した、というものに止まっています。各国の「人権状況の改善に向けた国際社会の取り組みに積極的な役割を果たす」、それについて「関係国や国際機関、NGOとの密接な連携」を図るという課題に関する限り、何も北朝鮮難民に限られる必要はないはずです。にも拘らず、「脱北者」を対象としているところに、この法案の胡散臭さが滲み出ていると思いました。
 特にこのような新規立法を行わなくても、現行法の適用や運用改善で十分まかなえると思われる事柄なのです。

 「在外公館における外交的保護権を活用した保護」の点では、確かに一定の新味はあると思いますが、それだって、「努力義務」に止まるのであれば、「ハンミちゃん事件」以後、日本世論全体を敵に回して「努力を怠る」勇気は、いまの外務省にはないでしょう。

 また、難民条約加入国であるわが国において、「脱北者は送還時に迫害を受けることが明白」と明定することが眼目ならば、先頃UNHCRが反対していたにも拘らずクルド難民父子をトルコに送還した(父親は着陸後逮捕されたというテレビ報道がありました)ような、決定的に立ち遅れた入官行政を掣肘する意味合いを、抽象的には持ちうるでしょうが、実際脱北者に対してそんな非道なことはできない情勢ですから、大した意味はないでしょうね。「定住希望者は一定要件を満たせば支援する」というのも、出てくる「一定要件」は難民条約とそう違わないものになるでしょう。
 ノン・ルフールマン原則を厳格に守れないわが国の政権党が、突如北朝鮮難民に対してだけ「人権擁護の旗」を高く掲げたのだとしたら、お為ごかしもいいところだと思います。

 2つめは、そうしたいまの具体的情勢の下で、あまり新味がないこの法案がいかなる具体的・政治的な意味を持つのか、よく考えなければならない、ということです。
 特に、自民党の「拉致問題経済制裁シミュレーションチーム」が出してきたことの意味合いは、国内向け「点数稼ぎのアドバルーン」と考えた方が適切なのではないでしょうか。
 彼らに教えてもらわなくても、北朝鮮難民が単なる「食い詰め人」でないことは、いまや世界周知の事実であり、脱北者らが嘗めていた飢餓と恐怖が国際的な人権問題であることは明白でしょう。
 また、拉致問題の対策としては、すでに(私は反対ですが)人道援助の凍結も行っているのです。現に行っている以上に出ない「脱北者保護」を改めて宣言したからといって、現北朝鮮政権に対する牽制が効くとは、到底考えられません。
 ですから、北朝鮮政権のいっそうの強硬な(言葉上の)反応を引き出して、日本人民への抑圧体制強化をカムフラージュするか、都議選等で苦境に立ったいざというときの「隠し球」として取っておくか、そういう種類の政治的手段でしかないような気がしていますね。

 日本政府が、本当に国際的な人権問題に、国力に応じた貢献をしようと決意しているなら、もっとやるべきことはたくさんある、と思っています。この法案で「連携を図る」NGOって、何を想定しているのでしょうかね。

 以上、雑感に過ぎませんので、その点ご容赦下さい。



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「人権法案」についての補足 投稿者:チョンゴン 投稿日:2005年 2月 4日(金)09時24分56秒
つまり、「人権法案」は、全く同じ法案内容でも韓国民や中国政府が提案する場合と、ブッシュや小泉が言い出す場合では、それに対する評価が異なってくるんじゃないか?ということを言いたいのです。

韓国民や中国政府などのアジアの国(かつての被侵略国・非同盟諸国)が行った場合に正常な夫婦生活とみなされる事でも、日本やアメリカがやろうとすれば強姦になる、ってことです。「泥棒や殺人犯が主張しても真理は真理!」のケースと同じようにはならない、ということ。

例えがちょっとドギツイのですけれど、解かりやすいと思うのであえて書きました。


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オ~イ、南雲さ~ん 投稿者:チョンゴン@休日の黄昏 投稿日:2005年 2月 3日(木)15時39分52秒
経済制裁反対派の同志として、↓の問題、どう考えますかね?
樹々の緑さんはじめ、ここんとこロム専の方々、ご見解提示をよろしく。

それと南雲さん、最近アフガン板、ご無沙汰ですね。お忙しいんですか?
今、隠れネオコンがハイレベルな論難喰らって、血祭りに上がっているみたいよ。
参加しないんですか???


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「泥棒や人殺しが主張しても 投稿者:チョンゴン 投稿日:2005年 2月 3日(木)13時05分1秒
真理は真理だ!」っていう言い方がありますが、一方、「自分の女房や彼女の下着を脱がせても許される行為だが、他人がそれをやったら犯罪になる」ってことも言えますよね。
つまり、言動内容についての評価は、言動の主体と関係する場合も有れば関係無い場合もあるってことです。誰が言ったりやったりしても正しい場合と、言ったりやったりする人が違うとその評価が変わる場合がある、ということです。

「何を言いたいか」って?

「北朝鮮人権法案」です。

法案の、その内容自体も問題ですが、過去の清算をしていない連中や現に悪業を重ねている連中が、どんな内容であれ、人権をもてあそぶ資格があるのか、ということです。

どう思います?
この問題、法案の内容次第では、「経済制裁」以上に対応が難しいかもしれませんよ。

(なお、忙しい日はレス不要です)